バイクの高速料金割引キャンペーンが始まるけど…?

夏のツーリングシーズンに向けての「朗報」と呼べるのかどうか?
何とも評価の難しいお知らせがライダー界隈に飛び込んで参りました。

二輪車に限定した高速道路料金割引キャンペーンが7月より期間&地域限定で始まるそうです!

★参照リンク:二輪車限定の「首都圏ツーリングプラン」を発売します
〔NEXCO東日本 公式サイト〕

このプランは、ツーリング需要を喚起することにより、首都圏一円に広がる観光地やツーリングスポットの活性化、高速道路の利用促進を図る目的で実施するもので、対象となる高速道路が定額(最大2日間)で利用出来るプランです。
〔上記サイトより引用〕

「普段より安い料金で高速道路を利用することが出来る」という現実がある以上、朗報であることには間違いないのでしょうが……。ただ、ライダーにとっての理想形とは程遠い内容のキャンペーンとなっているようです。


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キャンペーン内容を見てみよう

まず、何はともあれ、キャンペーンの中身がどんなものなのか見てみましょう。
ザックリと概要をまとめてみました。

★名称「首都圏ツーリングプラン」
★対象期間 2017年7月14日~2017年11月30日
★対象車両 ETCを装着した自動二輪車
★利用期間 利用開始日から2日間
★利用金額 各コース2500円
★利用方法 対象エリア内乗り降り自由/走行回数無制限
★対象エリア

※クリックで拡大
★申込方法
 事前にNEXCO東日本・NEXCO中日本の公式サイトから申し込み。
 ☆2017年7月3日10:00から受付開始
 ☆申込回数無制限
 ☆申込時は「利用日・氏名・連絡先・ETCカード情報・車両ナンバー
  プレート情報」等を入力

※上記情報の正誤については公式サイト等で御自身で御確認下さい。

う~ん、色々と制約が多いけど…。
対象区間がエリア分けされている上に事前申し込みが必要ということで、ぶらっと思い付きで走り始めるというツーリングには使えないっすね。夏の早朝、「快晴だからどこか山の方でも走りに行くか!」という使い方は出来ないと…。個人的に好きなパターンなので残念ですな~。

逆に、明確に行きたい複数の場所が決まっている人にとっては乗り降り自由という特典は嬉しい限りですね。妙義山周辺を走った後、タルい一般道をパスして高速道路で日光まで行っちゃうとか。ただ、2日間有効であることを考えると、2エリア(コース)複合での使用が可能とかにして欲しかったかな?

過去に行ったツーリングルートでシミュレーション

実際のところどれぐらい安くなるのか、はたまた安くならないのか? を過去に行ったツーリングルートでシミュレーションしてみましょう。


より大きな地図で 2012.06.02 栃木&群馬 を表示

サンプルは2012年6月に行ったツーリング。
本キャンペーンで想定しているツーリングとは主旨が異なっていた日帰りツーだったので、あまり参考にならないかもですが。

★参照リンク:山中ツーリング 2012.06.02
〔暇さえあれば備忘録〕

※青矢印&数字の区間が今回のキャンペーン対象区間
※2017年6月30日の朝6時に走行と仮定
※「首都高ドライバーズサイト」・「ドラぷら」を使って算出

《通常価格》
☆飯田橋IC
↓ (首都高) 780
☆川口JCT
 (東北道) 1350
☆佐野藤岡IC
↓ (一般道) 0
☆水上IC
↓ (関越道) 490
☆沼田IC
 (関越道&外環道) 3270
☆川口JCT
↓ (首都高) 520
☆王子北IC

キャンペーン対象区間(2区間)の通常価格合計が4620円なので、キャンペーンを利用すれば2120円お得になるってことですね。しかも、もう1日乗り降り自由で走り放題という。

ほぼ半額近くになる上にメシ1回分が浮くと考えれば、キャンペーンを利用しない手はないですかね~。
さすがに日帰り2連チャンはキツそうなので、一泊二日で両日とも走り回るプランというのが一番効率良く最大限の恩恵を受けられそう?

そもそも二輪車の料金設定は適切か? という問題

正直な所、ビミョーな感のある本キャンペーンですが、実際に料金が安くなる点を鑑みれば一定の評価は出来るかと思います。期間限定だったり事前申し込みが必要だったりエリア限定されていたりと不満はあっても、キャンペーンが無いよりは良いかと。

二輪車にとっての高速料金問題の根源は、「そもそもの料金設定が高すぎる」という点に尽きるでしょう。

『社会の中で生きる』という事は「様々な理不尽な事も受容して生きる」という事と同義であると考える私としては、「全ての不公平を無くせ!」みたいな机上の空論を声を大にして叫ぶのは嫌なのですが。自分にとっての理想論を掲げて、それに沿わない社会に対する愚痴&不満等を吐き散らしているだけの一部の方々と同じになってしまいそうですからね。

ただ、そういう価値観を持っている私であっても、国土交通省のサイトに掲載されている「二輪車の高速料金が軽自動車と同等であること」に対する見解についてはツッコミを入れたくなります。

★参照リンク:道路:道の相談室:高速道路・ETC
〔国土交通省〕

上記リンク先ページのキャプチャー

まとめてみましょう。
まず、上段には軽自動車等・普通車・中型車・大型車・特大車という5車種区分の理由が記載してあります。

1.「車両が道路を占める度合い」に応じてご負担いただく「占有者負担」の考え方
《解釈》
これは車両のサイズの問題ですかね。道路を占有する面積による区分ということでしょう。「道路に対して大きな面積を占有する者ほど利用料金が高くなる」というのは至極まっとうな理由だと思います。

2.「高速道路を利用することにより受ける利益の度合い」に応じてご負担いただく「受益者負担」の考え方
《解釈》
これは業務用車両など用途の問題かと。「通行する車を使って金儲けをしている者ほど高い料金を払いなさい」という考えに基づいた区分ということでしょう。これも合理性のある考え方ですね。

3.「道路の建設及び管理に係る費用に影響を与える度合い」に応じてご負担いただく「原因者負担」の考え方
《解釈》
これは重量の問題かと。「車重が重い車両ほど道路建設および管理に係る費用が多くなる」という考えに基づいた区分ということでしょう。もっともな言い分ですね。

「通行する車両のサイズ&用途&重量という要素を根拠として5車種に区分されていて、その区分ごとに各々の高速料金が定められている」ということ。なるほど。それぞれの理由は個人的には納得の出来るモノであります。

問題は下段部分。
上段の「5車種区分の理由」を大前提とした上で、「なぜバイクが軽自動車と同じ区分なのか?」という理由が記載されているのですが、ツッコミ所満載です。

1.走行時に軽自動車と同様に一車線を必要とし、交通安全上必要な車間距離を確保して走行する必要があること
《ツッコミ》
いや、「バイクも一車線を必要とするから軽自動車と同じ」だと言うのなら、そもそも10tトラックだって一車線しか必要としないじゃん!? 「車線の問題」ではなく「面積の問題」であると上段の1では定義しているんじゃないんですかね?

2.法定の最高速度は他の車種と同様に100kmであること
《ツッコミ》
速度に関する区分根拠は上段部分では全く触れられていませんが? 法定速度が同じだから区分が同じになるのであれば、普通車も同一区分にすべきですよね?

3.照明、標識等に要する費用や道路巡回費用等に関して他の車種と同様の負担を行うべきものであること
《ツッコミ》
照明&標識等に要する費用は確かにバイクも公平に負担すべきですね。これは納得。道路巡回に関しては、路面状況の確認が主たる作業である以上、路面に影響を与える車重に基づいた負担割合が考慮されるべきかと。軽自動車と二輪車の車重の差が軽微であれば負担が同様なのも仕方ないと思えますが、実際の車重には大きな差があるのでねぇ…?

如何ですか?
特に1と2についてはムリヤリ感があり過ぎでしょう。

本エントリーを書くにあたって拝見した個人の方のブログによると、「昭和末期に国交省が公表した資料によると、二輪車料金を軽自動車から分ける場合、インフラ整備に200億円程度必要になる」旨の記載があったとのことですが、個人的にはそれすら建前だろうなぁ~と思いますけどね。恐らくは単に収益が下がるのを避けているだけだと推測しますが?

意外に希望の光は近いのかも?

どうせ何も変わらないんでしょ?

うむ。まさにニッポンジン的反応!
私もその範疇真っただ中に居る一人ですが。

意外にも(?)国会内での動きはあるみたいですよ。

★参照リンク:熱帯びる「料金区分の独立化・適正化」の議論…高速道路二輪車料金
〔レスポンス〕

高速道路二輪車料金の「料金区分の独立化・適正化」の気運が高まっている。自民党二輪車問題プロジェクトチーム(PT)は4月以来、毎月連続開催で「料金区分の独立化・適正化」を中心議題に取り上げている。(中略) 早くも臨時国会、来期の通常国会での毎月開催を視野に入れる。異例の回数を重ねながら、各種の会合を掛け持ちする議員の出席は多く関心は高い。
〔上記サイトより引用〕

ふーん。票集めのお題目としてプロジェクトチームとか起ち上げているだけかと思いきや、ちゃんと活動しているんですね。しかも、「異例の回数を重ねながら~」だの「議員の出席は多く関心は高い」とな。

ちなみに、何を目的としたチームかと言えば

料金区分の独立化・適正化の意味するところは、「高速道路料金区分から、まず二輪車を独立させること。次に負担に応じた適正な料金を確立すること」(二輪車業界関係者)だ。
〔上記サイトより引用〕

だとか。
うんうん、合理性のあるもっともな言い分だと思いますよ。

さらに、具体的に目指すものとしては

逢沢一郎座長はこれまでの議員活動を振り返り、料金適正化の“相場観”を示した。「高速道路の料金体系について、我々国会議員の全体の感覚からすると(その料金比率は)普通車1、軽四輪0.8なら、大きな意味で判断するなら二輪車は相場観は0.5ではないかという議論を、長年積み重ねてきた」
〔上記サイトより引用〕

おお~。
普通車料金の半額が相場とな! いいんじゃないですか? 妥当な相場だと思いますよ。

とまぁ、議員サイドでは確かな動きがあるみたいなので、ビミョーなキャンペーンに依存しない恒常的な値下げも期待出来なくはなさそうです…かね? 少なくとも、選挙という信託を受けていない官僚がムリヤリ感満載な理由付けで決定した料金設定が未来永劫続くのではないという希望は持ち続けたいものですな~。そして、高速料金値下げを契機にバイク産業の景気回復なんかも起きないもんですかね? とにかく、“政治主導” ってヤツに期待してみましょう。

でも、現役中は散々批判してきた「度を超えた天下りを主導して引責辞任した上に人身売買疑惑まで浮上している人物」をテノヒラクルーで聖人扱いする様な連中には何の期待もしませんけどネ!(爆